気付くのが遅いシーラカンス/再

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カムフロムアウェイを観た。2回観た。 もう一回観る。

おひさしぶりです。わたしです。

日生劇場で上演されていたブロードウェイミュージカル カムフロムアウェイの日本版初演、観ました。

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ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』|【公式】ホリプロステージ|チケット情報・販売・購入・予約

9月11日

あの日、世界が停止した。

9月12日

ある小さな町で起きた奇跡の物語。

この物語は私たちに、世界に希望を与えた。

2001年9月11日、ニューヨークで同時多発テロ事件の発生。アメリカの領空が急遽閉鎖された。目的地を失った38機の飛行機と7,000人の乗客・乗員たち。行き場のない38機の飛行機は、カナダのニューファンドランド島のガンダー国際空港に降り立つ。

カナダの小さな町。わずか1万人の人口は一夜にして約2倍となった。人種も出身も様々な人々はこの地でどんな5日間を過ごし、飛びたつのか―

 

2019年に女王蜂のアヴちゃんを追いかけて観に行ったヘドウィグ・アンド・アングリー・インチで浦井健治さんに骨抜きにされて以来ファンで出演作はなるべく観たいな〜と言いつつ全ては追いきれず。

今回もいつも通り仕事の都合の着く日に空席があれば…あった…!という感じでふんわりチケットを取り、すんごいキャスト豪華だな〜12人で100役は面白いだろうな〜くらいのほぼ皆無にひとしい予備知識で観劇。

結果、大興奮で劇場を出てすぐに翌週のチケットを確保した。もう体力の配分なんぞ知らん、どうしてももう一度観たい。

明けでカムフロムアウェイ観た!緻密に組み上がった脚本演出をハイテンポで爆進する名優12人とバンドの超絶技巧、気持ち良すぎて脳が痺れる 好きな役者がこれに出てくれる幸せ…そして自分が役者だったら死ぬまでに一度はやってみたい演目になるだろうなとも思った 重いテーマを扱いつつ畳みも綺麗で好

 

 

この先きっと何度も再演されるであろう名作の日本初演、わたしの今までの演劇鑑賞体験の中でナンバーワンの経験をしてしまったという昂ぶりが伺える観劇直後ツイート、ひどい。

 

日本演劇界のアベンジャーズと謳われる12人のキャスト、全員が日頃は主演を張っている方々、ルーツも宝塚・四季・青年座・新感線・オペラ・2.5経験者とバラバラ、しかも最年少の咲妃みゆさんでもデビュー14年目とみなさんキャリアの長い超一流揃い。

実際に観劇すると、この方達でなければ実現しない、ものすごい技巧が必要とされる作品なんだなと納得する。才能溢れる若手の役者さんはたくさんいるけど、舞台を数多く踏んでいることの圧倒的強み。

セットは12脚の椅子と一台のテーブル、回転する円形の床のみ、衣装もごくシンプルな普段着。12人の演者がハイテンポで喋り、歌い、次の瞬間には別の人間を演じ、自らセットを動かし、アンサンブルとしてコーラスをし、100分間一切滞らずに濃密な5日間の物語を駆け抜けていく。舞台芸術の粋を観た思いがした。

しかも誰がメインとかではなく、全員がほぼ均等に喋り歌う。登場人物ひとりひとりに物語があり、カーテンコールの頃にはその全員に愛着が湧いている。

 

カムフロムアウェイの何がすごいかというとまあ全部なんだけど100分の中で9.11.テロ・避難所運営・動物愛護・ハラルやベジタリアン対応・テロ後のイスラム教徒差別・肉親との死別・中高年ロマンス・同性愛・女性差別とキャリア等重いテーマを詰め込みその全てが雑に流されず真摯に扱われているところ

あと報道の倫理もだな 「涙を流す人にマイクを向けるのはもう嫌だった」のくだり、そのひとことだけで新人のジャニスがどれだけ葛藤して踏ん張ったかが伝わってくる

エピソードの全てがたった12年前の実話で、登場するのは実在の人物(浦井健治さんは彼が演じたケビン・Tさんご本人とTwitterで交流していた)。脚本・作詞作曲のIrene Sankoff & David Hein夫妻は膨大な人数の関係者にインタビューをした上で物語を紡いだという。それが限られた時間と空間の演劇に落とし込まれ、キャストスタッフにより丁寧に咀嚼消化されて届けられる。そうでなければ「あの話、申し訳程度に触れられてたけどなんだったの?」「あのくだり必要だった?」みたいになってしまうのが演劇の常だ。(超余談なんですけど、寺山修司を愛しSMAPを愛してきたわたしがテラヤマキャバレーで感動大号泣しキャストスタッフバンドの全てを大絶賛しつつも脚本"だけ"は気に食わないのそこらへんです)

 

観劇した人それぞれにクリティカルなシーンがあるかもしれない。

わたしはアメリカン・エアライン初の女性機長であるビバリー(演・濱田めぐみさん)のソロ曲Me and the Skyが泣けて仕方なかった。

I was eight when I told them that I'd be a pilot

But I was too young and too short

And there were no female captains

And my dad said, "be patient" he said,

"just see what happens"

「8つの時には両親にパイロットになるって宣言したわ、でもその頃わたしはまだ小さかったし、女性の機長なんていなかった。パパは言ったわ、忍耐しなさい、これからどうなっていくかをしっかり見ていなさいって」

これが高橋亜子先生の訳詞で

父は言った、「時を待て」

になってるのちょーかっこよくて痺れました。

そして濱田めぐみさんの美声で

もう女は駄目だ、無理だ、無駄だとは言わせない!

と歌い上げるカタルシスといったら!

自語になりますが医学部入試の男女比調整真っ只中に受験し、そんなのわかってたけど男子より点取ればいいんでしょって合格して卒業して就職して、産育休お前は取らないよね?みたいな前提の人数のとこに配置されて体調不良でも休めず法的に許可されてる回数の倍以上、月7回、多い時は10日で6回 当直してX線を浴びる仕事に妊婦と交代して入ってと言われれば私も妊娠可能年齢なんだけどな〜と思いつつニコニコ笑って代わって残業上等で、その上で「女医は激務科に行きたがらないし当直したがらないし勤務に穴あけるし役に立たない」みたいなことを一括りで言われる世界にあって、この歌は圧倒的な光でした。一生聴き続けます。ありがとう。

 

気丈にがむしゃらに、しかし楽しんで努力を重ねて空を手に入れたビバリーの半生、だからこそ

愛する飛行機が爆弾に使われた

の、深い絶望と怒り。たった数分にこれだけの物語が詰め込まれている。

 

 

いやあとにかくものすごいものを観た。

仕事の関係で東京公演千秋楽は行けなかったんですけど、高崎公演なら頑張れば行けることに気づいてチケットを取りました。

 

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スマホとスーツケースもCFA仕様に。

職場異動なのでタイムリー。

 

 

 

以下蛇足の細々とした感想を箇条書きで。

ネタバレあるよ。役者さんの敬称略でいきます。

 

・口火を切る町長橋本さとし、かっこいい〜!足長い!!!夏に観たMR!ではわりとちょけていたので純粋にかっこいいさとしさん久しぶりに観た気がする。様々な町長を次々演じる橋本さとし、帽子やつけ髭の早替わりで笑いを取れる橋本さとし

・街のみんなが集まる朝のティムホートンのシーン。「おーはーよ」のテンポ感が洋画吹き替えっぽくてオシャレ。

・田代万里生、地元空港職員ドワイトのダミ声・繊細な秘書(ゲイ)ケビンJの神経質なシティーボーイの喋り方・エジプト人イスラム教徒アリの朗々とした声の演じ分けが見事。肩幅もキャラクターによって全然違う。どうなってんの。

浦井健治もスト中のバス運転手ガースのやや猫背で冴えない感じと環境エネルギー会社社長(ゲイ)の快活で頭のキレる喋り方、ブッシュ大統領の演説の時の政治家っぽさなど自由自在。男性も女性も高身長の方揃いの本作だと181cmの健ちゃんが小柄に見える…!このあと天保12年のシェイクスピアの円盤見返したら相手役のふうかちゃんが小柄だったのででっかく見えました。

・咲妃みゆ、鈴を振るような可愛らしいお声に新人記者がんばれー!と思わずにいられない。悲劇を取材する自分の職業の因果に葛藤しつつ報道の担う役割をひたむきにこなし、華奢さが際立つ白の飾り気ないシャツにスーツみたいなスラックスで縦横無尽に駆け回る。CAを演じる時のキリッとしたオーラと好対照。

・そして一瞬だけ出てくるウォルマート店員のシャイでおっとりな感じもかわいい。地元住民、飛行機の人たちを自分の家に招いてシャワーを貸したり食事をふるまったりするのも勇気がいることだったんだろうな、と想像させるいいお芝居。

シルビア・グラブ演じるボニー、動物愛護団体の人が出てきた時一瞬トラブルメーカーになるのかな…?と思ってしまった(ごめんなさい)んだけど、貨物室は立ち入り禁止で軍が警備してると言われてもあたしを撃てばいいわ!と勇敢に動物を助けに行き、猫と犬とボノボを1匹も死なせず、しかも検疫の問題などをしっかり理解して家に連れ帰ったりせずしっかり隔離先に通って世話をしている。素晴らしい。別れ際メスのボノボに「私ボノボに会ったのははじめて。あなたのパートナーは自分の糞を投げるのが好きだから、あなたが私が今まで会った中でいちばん感じのいいボノボよ」って語りかけるシーンもしんみりした中で笑わせてくれて好き。

・ボニーに振り回される夫、そして飛行機乗客としては機内で出会ったダイアンと恋に落ちてあわあわするイギリス人サラリーマンニックを演じる石川禅。漸く電話が使えるようになってみんなが家族と連絡を取る中、独り身のニックが「本社の人に私が無事だと伝えてください!…いえ、誰か知りたい人がいるかと思いまして……」としょんぼりするくだり、社畜の悲哀が滲み出てて好き。

・ほかにも座席移動に苦労したりボノボのうんちを持たされそうになったり石油会社に勤務してるからって環境エネルギー会社のケビン&ケビンに嫌われたり(僕たちは環境に優しい仕事をいっぱいしてるから石油会社の人のことはだいたい嫌いなんだ⭐︎)酔っ払ったダイアンの尻に敷かれたりしていた禅さんの、ラストシーン近くで歌い上げるStop the Worldのかっこよさよ…!あと序盤の航空管制のシーンもめっちゃかっこよかったです。

安蘭けい演じるダイアン、離婚するまで旅行なんてしたことなかったしお酒も1杯までしか飲んだことなかったと。そういう生真面目な、というか抑圧された「妻」ってたくさんいるんだろうなあ… そんな彼女が緊急着陸という非日常で徐々に開放的になっていき、はじめはぎこちなく接していたニックと惹かれあい、パーティーでは大胆に酒を飲み、恋に落ち、帰りの機内ではいちゃいちゃして過ごすまでになるという。何歳からでも恋っていいね!というエンパワメントを感じます。

・最終的にくっついたダイアン&ニックと、別れを選んだケビン&ケビンの対比が切ない。「行き先を変更したいんだ。LAじゃなくブルックリンに」「うちに帰りたい」「うちに?」「うちに?」「うちに?」と二組のカップルの会話が交錯する演出…

・テロの現場に近いNY出身のケビンJは序盤から頻りに家族と連絡を取り(妹?との電話、なーに?やな奴だなあ!…嘘。お前の声が聞きたかっただけ。の言い方優しくて好き!)、飛行機が飛ばなくても船と陸路で帰る道を問い合わせたり(ケビンTが「ケビーン、僕たちは陸の反対側にいるんだよ〜船になんか乗らないよ〜」と諌める言い方、浦井健治が恋人を揶揄いながら慈しむときのイケメン声で最高)塞ぎ込んでいく一方、生来逆境もエンジョイできる陽キャでケビンJのことも島の散策に連れ出そうとし、「僕はそんなふうに内向的になったりしない」と批判的な言い方をしてしまったりするケビンT…でもいつも一緒に行こうよ!って誘ってあげるんだよね。愛だね。

・ケビンTが「どこかで聴いたことのある音楽…幼い頃家族に連れられていった教会で聴いた讃美歌だ。教会はもうずいぶん行ってないけれど…」と言うシーンで、当時のキリスト教は同性愛に肯定的でなかったしもしかして彼は家族と没交渉になっている…?ケビンJは家族と仲良いのと対照的に…?と思ってしまった

・浦井&田代は「僕たち恋人役だけど手も繋がせてもらえないよね」「そういうシーンないよね」とあちこちの取材で言っているが、飛行機で凭れ合って寝たり「卑猥な秘書」を自称したり「僕たちベジタリアンなんだ」「僕が教育した」(謎に後ろから胸筋をなでなで)したり「魚にキスしたら二度とキスしてやんないよ!」って拗ねたり密着してタイタニックごっこしたりはしています。卑猥な秘書は原語だとsexy secretaryなのかな?Apple TVで配信されてるBW版の字幕は「親密な秘書」となっていてらそれはそれで意味深でイイけど「卑猥な秘書」の押韻語呂の良さとパンチ力は素晴らしいですね。

・飛行機に乗り合わせていたユダヤ教のラビ、ここまでちょけたキャラ(島の姉さん衆にパシられるコワモテ警察官とかスペイン語ペラペラのセクシーな体育教師とか)が多かった吉原光夫が静かで優しげな迫力のあるラビに扮するのがすごい。橋本さとしが島に長年住んでいてユダヤ教徒であることを妻にすら隠していた老人を演じ、乗客にラビがいるなら話したいと申し出るシーン。飛行機の人を手助けする側の島民もまた飛行機の人に救われるという構図が素敵。不幸な事件をきっかけにではあるけれど素晴らしい出会いの一つ。「この事件であまりに多くの物語が一瞬にして失われた、だから今まで誰にも語ったことのなかった自分のルーツを聞いてほしくなった」の切実さ。

・教会で浦井健治と森久美子が歌うPrayer(日本でも聖フランチェスコの平和の祈りとして教会やキリスト教系の学校で親しまれている歌)に、光夫さんの歌うヘブライ語の祈りや万里生くん・シルビアさん・みゆちゃんの歌うイスラムの祈りが混ざり溶け合っていくシーンが圧巻。使われている音階は違うのに調和して美しい響きになる。イスラム教徒であるアリが受ける差別の描写の苦しさに対する一条の救いがこのシーンだと思う。

・森久美子、NYにいる消防士の息子の安否を案じるハンナ役。「あの子が帰ってくる、家でおかえりって出迎えてやりたい、なのにわたしはここにいる」。この物語のキーフレーズである"You are here"が切々と効いてくる。

息子が亡くなっていたことがわかってビューラに電話してくるシーン、「あの子、死んじゃった」「ハンナ… 悲しいわね。とても、悲しい」そしてもりくみさんのソロ歌唱なんだけど、もりくみさんもビューラ役の柚月さんも泣かせの芝居を一切せずにとにかく抑制された芝居と歌で、だからこそ胸に迫る。

・もりくみさんと光夫さんが並んでバスの運転手を演じるシーン、それまで緊張感漂う空港のシーンだったので変な訛りのある喋り方もあいまって力が抜けて好き。ヘラジカさあ〜。その後の記者ジャニスの「ドイツ人の乗客たちがヘラジカを食べてみたい…いえ、見てみたいそうです!」も笑った。

・アップルトン町長の橋本さとし、家に滞在させたニューヨーカーの若者ボブ(加藤和樹)との別れのシーン、「礼なんていらないよ、お前さんだってそうしただろう?」「でも僕地下のアイリッシュウィスキー全部飲んじゃったよ?」「俺だってそうしただろう。」のくだり、ここもしんみりしたシーンだけにめっちゃ面白い。飲みすぎや。

加藤和樹はドイケメンなのにボブを演じていると本当にニューヨーカーの、まだ親にちょっと甘えたりするくらいの年頃の冴えない青年に見えるからすごい。そしてもりくみさんとアフリカ人の夫婦役をやっても謎のセクシーイケメン機長をやっても説得力がある。

・先述のバリバリキャリアウーマンビバリー機長と、小学校で乗客を迎えるアネットを行き来する濱田めぐみ。同じく小学校職員のビューラを演じる柚月さんのほうが後輩なのに、アネットを演じているとしっかり者のビューラに一生懸命ついていくちょっと弱気でイケメンにすこぶる弱い後輩キャラに見えるのがすごい。

簡易宿泊所と化した小学校の運営をバリバリ回し、物語もバリバリ回し、隅々まで目配り気配りをするビューラを演じる柚月礼音は飛行機の乗客としては閉所恐怖症でパニックを起こすドローレス役。ケビン&ケビンには「僕たちの後ろの席で騒いでるだっさい女」「あの女、殺してやる」とか言われてて笑う。お育ちの良さそうなケビンJの「殺してやる」「あんたがパニクってると僕たちみんなパニクっちまうんだよ!」、いいですね。

・スクリーチのお祭り騒ぎのシーン、袖で演奏しているバンドメンバーが舞台に出てくる演出がお洒落!ここでも町長さとしさんが大活躍。

・飛行機の人たちが去っていくとき最後までさよならまたね〜!って明るく振る舞っていた島民が一斉に脱力してため息をつくところ、わかる、アドレナリン切れると一気にくるよね。

・冒頭のティムホートンの朝のシーンのリフレイン。日常に戻ったけど何かが違う喪失感、の一方、島にやってきたばかりだったジャニスがすっかり島の一員として馴染んでいることにほっこり。

・10年後のパーティーのシーンへの導入、ジャニスの「だからわたしは今もこの島にいる。今日は10周年の日!」と流れるように10年の歳月が表現されるのおしゃれ。初回観劇のときは別れたケビン&ケビンが再会して「おっ…」と気まずげに視線を交わして離れていくのが破局カップルのリアリティだ〜って感じだったんですが、2回目観たときはしっかり近寄ってぽんぽんと肩を叩き合っていて、よき友人として戦友として良好な関係を築いた実在のお二人に寄せた芝居になったのかな〜と思ったり。各国の記者がちいさな島に集まっているのも感動的だし、ハンナが悲しみを乗り越えて気丈に生きているのにも安心する。

・Welcome to the Rockで気持ちよく〆なのもミュージカルのたのしさ満点でよかった!

・こうして書き出してみると悲しみ怒り寂しさ遣る瀬無さを描きつつも人の温かさをベースにほっこりするシーンや笑えるやりとりが随所に織り込まれていて、100分間がっつり楽しんでいろいろ考えさせられつつも押し付けられている感は全くなく、元気をもらって劇場を出てまたすぐ観たくなる本当に質の高いエンタテインメントだと思いました。

・展開がハイテンポな上にひとりの役者さんが何役も演じるにも関わらず予備知識ゼロでも全く混乱せずに観られるのも計算され尽くした脚本演出と役者さんたちのとんでもない技術の両輪が揃ってこそと思う。

・1回観ただけで口ずさめるキャッチーな楽曲群も最高。