気付くのが遅いシーラカンス/再

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出会えたこと、事態(女王蜂・白熱戦感想レポ)

女王蜂、SHIBUYA-AXでのワンマン。白熱戦。

セトリやらMCやらは前記事にちょこちょこ書き足したりしてますのでこちらには個人的感想を中心にいくらか覚書を。

 

まず、会場渋谷AX。取り壊しになるんですね。彼女たちが何かあるごとに立ってきたステージ、会場、と思うと勿体ない…と思ってしまうのですが。

復活再誕した女王蜂は、前へ上へと伸びゆくような、しなやかで強い力を持っていて、箱なぞに感傷を抱いている場合ではない!と思わせるほどでした。

 

フロアには、ドレスコード通りに白をまとった人たち。開場待ちの時点で既に壮観でしたが、入場してみるとなおさら。ペンライト、ジュリ扇。仮面のシルエットが蝶みたいで綺麗でした。ステージにはマネキンが立っていて、照明は青。

幕が開いて、赤い衣装を纏ったメンバー。コスモのイントロ。白兵戦のつづき、という演出らしいです(参戦できなかったので想像はついたもののわからず…無念)。コスモ死ぬほど聴きまくってたのでこの時点で感極まって泣きそうになるもとどまる。

「新曲!!!」とはじまった、会場限定CDに収められていた「緊急事態」。アップテンポで、すごい推進力。今までの楽曲群のなかでもずばぬけてキャッチ―。初めて聴いたのにもう2回目のサビは一緒に口遊めてしまう。ルリちゃんのバスドラが骨に心臓にがんがん響く。

続いてΨ、鬼百合、ストロベリヰ。指先まで神経が通ったような美しさがお芝居を見ているようで、でもそこにいるのは確かに生身のアヴちゃんで、生身のバンド・女王蜂で、作り物のお話ではない紛れもなく事実なんだ、と。

鬼百合のスロウテンポな編曲、めちゃくちゃお洒落。腰かけて歌ったりとか、アヴちゃんは本当にステージ似合うなぁと惚れ惚れ。火の鳥、コーラスかっこいい。声似てる。怒涛の勢いで流れ落ちる音楽、「さよなら」のところに差し掛かって、止まる。「さ…さよ……(会場沸く)たーだーいーまー」って替えて歌って、そこからまた走り出す。鳥肌ものでした。

「その昔、日本でバブルがはじけた」腕、真っ直ぐで長くて。ぱーん、とSE。

「バブルはじけたとき、生まれてません。若さは主張せーへんとつたわらへん」

たしかに年齢不詳。笑

バブル、80年代。このへんはもう、刹那的に酔わせてもらってたのしい。

その次の燃える海。かなり涙腺に来ました。やさしいアルペジオとファルセット。ギタリストを失って、1年間、女王蜂というバンドから離れて散らばって、こうしてまた帰ってきて。

そんな風に少々ウェットになりかけたところを、妖しく引き上げて昂ぶる夜曲。構成すごい。そのまま突入した口裂け女。空気が一気に凛と詰まる。鏡。このへんだったかな、順序があいまいなのですがファンに「可愛い」って言われて「あたしがかわいいんじゃないの、貴女がかわいいのよ」って返してました。

ここで鉄壁のイントロに乗せてMC。イントロが終わりかけて、「あー、しゃべるの後にしよ。とにかく1年間全部の想いをこめて歌います 」って言って、もう歌いだし泣きそうな顔してた。強い人の泣き顔ほど綺麗なものはないと心底思いました。

アヴちゃんが歌い始めたところで、頭でなにか考えるより先にぼろっぼろ涙出てきた。歌詞をなぞったら尚、心臓内側から揺さぶられるってこのことだなって。それには確実に痛みが伴うのだけど、精神のいちばん奥のやわらかいところに痛いぐらいに届くものと出会うことができたのは本当に幸せなことだと思います。今これ書きながら音源聴いててもまだ涙出てくる。

ヒールで鍵穴をぶち壊すほど強くなかった私が貫けなかったものを、貫き通すが故の苦しさとか、尊さとか、そういうものを歌ってくれるアヴちゃんは、女王蜂は旗だと思いました。

最後の曲です、と、人魚姫。踊り狂う会場。あれだけ泣いたからその分頭の中しっちゃかめっちゃかで楽しい。すごく楽しかったです。

 

アンコールに応えて出てきてくれて、デスコ。やしちゃーん!ってコールにうつむいて首ふってたやしちゃんかわいい…あんなにキレっキレのベースなのにかわいい…

素敵すぎた生デスコ。それからイミテヰション。女王蜂の醍醐味ってやっぱりここかな。とてもチャーミングで、したたかでしなやかで。

一番最後は告げ口でした。「この一年、一番歌いたかった、伝えたかった曲」って言ってた。イントロの凄味。何か憑いてるみたいな。表現者としてこの人たちはやっぱりものすごいし、半端じゃない生気を感じました。ステージの神様なんてものが存在したら、きっと彼女たちとともにあるんだと思った。そんな陳腐な言葉しかでてこないのが口惜しいです。

タイミングが合わなくて、ずっとだいすきだったのにライヴに行けなかったのでついに念願が叶ってうれしい。ステージに帰ってきてくれてほんとうによかった。

 

灼熱戦の会場販売、迷わずチケット購入してしまいました。スケジュールに多少無理が効くのは学生の特権!